北野戦が開催されました

船井 慎互(高33期)

11/1コロナ禍の下、恒例の北野戦が北野高校で開催されました。女バレが元気なところをみせ、3年ぶりに北野に勝利しました。

(試合結果)

(男子) 天王寺 0-2 北野(16-25/23-25)

 

(女子)  天王寺 2-0 北野(25-23/25-20)

今年は、新型コロナウイルス感染対策のため、OBOG戦は実施されず、現役戦のみとなった。公式戦については、未だ無観客で行われていることを考えると、OBOGが現役の試合を観戦・応援できただけでも双方の学校関係者、および北野六稜会(OBOG会)様に感謝を申し上げたい。

 

まずは女子の試合から行われた。女子のチームについては、7月末に練習を覗きに行ったが、試合を見るのは始めて。主審の笛については唾液の飛沫を避けるため電子ホイッスルが使用された。

溝渕キャプテンのレフトからの平行が良く決まっていた。クロス、ストレートと良く打ち分けていたと思う。よく指摘されていた前に飛んでかぶってしまう癖も無くなり、しっかりと上に飛んでヒットできている。

1年生の吉本さんがセンターで入っていたが、身長も高く、レフトオープンからもしっかりと打ち込んでいた。レシーブも良くオールマイティーな選手だ。手をしっかりと高い位置にキープして体全体のしなりでボールの上から叩けているので、ボールが良く見えるだろうし、打てるツボの多さを感じた。まだまだ合わせたような打ち方が目立ったが今後パワーがついてくれば本当に楽しみだ。ブロックもしっかりと入っていた。少しブロックを飛ぶのが遅く、ブロックの形ができる前に打たせてしまっているので、ヒットしてもボールを下から押し上げる様になってしまっている。しっかりとブロックの形を完成させた状態で仕留めてほしい。

センターの金さんも、センターからライトからと幅広く攻撃できていた。サーブレも非常に安定していた。飛ばないまでもラストボールをしっかりとアタックで打って返すという攻撃的な姿勢も良かった。サーブでも失敗を恐れずにしっかりとネットすれすれに狙っていたのも良かった。彼女はチームのムードメーカ的存在でもある。チーム全体に言えるが、打てないラストボールをしっかりと相手の動きをみてコーナー深く狙っていて、北野に攻撃させにくくするための工夫を感じた。

サーブでは向井さんが良かった。無回転で押込む様な力強いサーブが北野のサーブレを苦しめ、天王寺がリズムに乗れたと思う。

一方、北野はオープン攻撃とセンター攻撃。長身の者も多く、ブロックも高かった。サーブの良い選手もいて苦しめられた。

しかし、天王寺はチーム全体として、とにかくよく拾ってラリーが続くシーンが多かった。

溝渕キャプテンはレシーブでもチームを引っ張る。前になだれ込むようにして「攻撃的に」拾いまくった。彼女以外も、今年のチームは守備がうまい者が多い。拾えないにしても、しっかりとボールに飛び込んでいく姿勢が良い。

舞田さんも無回転の打ちやすいトスを上げていた。時折見せたジャンプトスの精度も良かった。彼女をカバーするように入るライトの渡辺さんのトスも良かった。舞田さんが後衛で第一レシーブを上げても、しっかりと彼女がオープンに又はセンターにトスを上げる。2セッターかと思うくらい参加していたと思う。これが表と裏で攻撃力が途切れないことに繋がっていたのではないか。ただし、彼女は丁寧に上げようとして、少しホールディング気味になることがあるので今後の課題だと思う。また、舞田さんと渡辺さんどちらが上げるかでぶつかりそうになる場面も何度かあったので、しっかりと声を掛け合ってほしい。逆に言えば、それだけ積極的であるということ。正セッターさながらに相手コートにツーでフェイントを仕掛けるなど攻撃的な姿勢も良い。

前衛と後衛でどちらがレシーブするか譲るようなプレーも見受けられた。普段の練習では、パスを出す者とアタックを打つ者を分けていると思うが、アタッカーとしては、自分で取れるボールはしっかりと自ら声を出してパスを出して攻撃に入るような練習もしてほしい。

今日の試合ではクイックが見られなかったので次の機会には是非見てみたい。

 北野高校もレフトからの難しい2段トスを打ち込んでくるなど攻守ともに良い面がたくさんあったが、天王寺の方が、元気がよく絶えずリードする形で攻めたことが勝因だったのではないか。女子では2017年以来3年ぶりの天王寺勝利となった。

 

 女子に引き続いて男子の試合が行われた。男子は、リベロを含め3名の1年生を含めたチーム編成。大阪高校総体では、桃山学院に対して好ゲームをしたと聞いていたのと、男子は過去2年連続で天王寺が勝っているので、女子とのアベック優勝も期待された。

試合は北野の強烈なアタックサーブから始まった。天王寺は、エースの星田君がレフトからワンタッチ狙いで打ったがアウトになり、その後のアタックサーブもネットに掛かる。その直後には北野のAクイックが決まりリズムに乗っていけない。その後も星田君は北野の高いブロックに苦しめられて、なかなか決めることが出来なかった。2段トスをネットにかけるシーンも多かった。北野はしっかりとブロックを飛んできていたから、もっとストレートにも打って相手ブロックに当ててコート外にはじき出すような打ち方もするべきだった。

旧チームではセンターアタッカーだった藤本キャプテンはレフト対角に、レフトで打っていた折戸君はセンターで打っていた。2人のポジションを変更する狙いとしては、身長に勝る折戸君をセンターにした方がブロック力が上がるという判断か。センターはウイングと比べてブロック、トス、アタックと明らかに運動量が増える上、器用さが要求される。プレーの幅を広げるという意味でも良い試みだと思う。実際、今日は折戸君がよくブロックを決めてくれた。2セット目では連続ブロックポイントもあげた。また、1セット目ではAクイックも決め、新しいポジションでも適応力の高さを感じさせた。

一方、藤本キャプテンについても、クイックよりレフトの方がしっかりと打ちやすそうに感じたが、まだ、合わせて打っている感じ。相手ブロックを打ち破るぐらい強打してほしかった。

センターの大西君もAはなかなか合わなかったが、高さを生かして相手ライトのスパイクをブロックで見事シャットアウトした。サーブも良く今後の活躍が楽しみだ。

セッターは1年生の檜脇君。中学でのセッター経験はないとのことだが、長身なのでブロッカーとしても期待できる。丁寧に上げていたと思うが、久しぶりの練習だったということもありコンビ練習が不十分でどうしても確実にいこうとしてレフトオープン主体となってしまった感じだった。北野のサーブが良くなかなかセッターに入らなかったのと、チャンスボールをもらっても、セッターへのパスの精度が悪かったこともある。だが、失敗を恐れず、縦Aやライトにももっと積極的に上げてほしかった。Aで相手ブロックを引き付けて平行でレフトブロックを1枚にできていたら、もっとオープン攻撃の決定率も上がっていたと思う。

今日は、ライトの1年生サウスポーの全君のスパイクを見るのを楽しみにしていたが、残念ながら打てるボールは上がらなかった。ただ、ブロックでは2本ほど決めてくれた。

リベロの1年生の中山君もサーブレ、アタックレと随所に堅実なプレーを見せてくれた。

彼は、非常に勝気な選手でプレーでチームを引っ張る力を感じさせる。

いずれにしても、北野の多彩な速攻には苦しめられた。レフト平行、センター、ライト、Dクイックと幅広い攻撃に天王寺のセンターブロックがついていけなかった。

サーブ時にラインクロスのミスを何度か取られたのももったいなかった。

 1セット目を取られ、2セット目も序盤リードされるものの、藤本キャプテンの連続サーブポイントなどもあって中盤盛り返して20-15と先に20点目を取った。このセットを取り返すかと思われたが、その後も北野の好サーブにレシーブが乱されオープン主体となって打ち切れず、最後は星田君がレフトからのアタックをネットに掛けて敗れた。

成績は、昨年度と逆に男子が北野優勝、女子が天王寺優勝となった。

 

今月中旬(男子11/15,女子11/22)に開催される部別は、無観客試合となるが、男女ともしっかりと良い準備をして臨んでほしい。期待しております。

観戦には41期の林君、北川君、3年生(73期)の前田君、秋津さんが来てくれました。

 

尾崎先生、砂川先生、OBOGの皆様、北野高校の皆様、お疲れ様でした。