女子新人大会観戦報告

船井 慎互(高33期) 

 

1/20 女子の新人大会2次予選観戦のため城南学園高校に行ってきました。 

強豪のスピードとパワーに圧倒された感じでしたが、なんとか対応していこうという姿勢も見えました。

 

2回戦 

天王寺 0―2 城南学園(15-25/14-25)

 城南学園は、公式練習から独特だった。レフト側、ライト側からのアタック練習ではすべてアタックラインの後ろから打ち込む練習に費やされた。アタックラインの後ろからネットを越してボールを打ち込むためにはどうしても足の長いスパイクになるので、軽打にならない様にしっかりと体重を乗せてミートする必要がある。バックアタックのタイミングをしっかりと覚えた上で試合に臨めば普通のトスでの決定率が上がるという意図だと思う。 

試合ではAなどのクイックはおとりのみでなかったが、レフトからの平行、ライトセミ、センターセミ、バックアタックと速いトス回しと強打で天王寺のセンターブロッカーが付いて行けないという感じだった。4人のアタッカーがセンターからもレフト、ライト、バックと何処からでも打ってくる。また、司令塔であるセッターのトスが素晴らしかった。 

通常の試合に比べて、相手ライトからの攻撃が多いと思った。天王寺は入れるタイミングでもレフト側のアタッカーがブロックに入らないことが多く、ブロックの甘さを感じた。 

センターに比べてレフト側・ライト側のプレーヤーは、振り回されることも少ないはずなので、もっと意識してブロックに入る必要がある。レシーブで受けた後の攻撃に備えてブロック参加しないということだと思われるが、アタック、特に強打に対しては先ずはネット上で抑えるというのが重要。ノーブロックでレシーブするというのは無謀だと思う。 

各ブロッカーで自分がブロックにつく相手アタッカーを決めて抑えに行くなど、執拗にブロックに入ってほしかった。スピード、パワーに加えて運動量についても城南学園との差は歴然だった。 

レフトからのアタックはしっかりと助走を取って打ち切ってくるので、ブロックの端に当たって弾かれてコースが代わってレシーブできないことも多かった。 

センターからコーナーを狙った足の長いスパイクにも威力があった。

 1セット目の後半以降は、相手の動きにも慣れてきて中村さんも懸命にブロックを付いて行って何本か抑え込んだ。センターからのスパイクでも相手ブロックをかわす様に打っており調子は良かったと思うが、相手ブロックがしっかりと2枚ついてくるので、ブロックに捕まることも多かった。 

福田キャプテンもレフトから何本か決めてくれたが、フェイント気味の軽打はしっかりとレシーブされてしまった。 

松井さんも良く打ってはいるが、チャンスボールをもらって良いトスが上がっても軽打が多いので決めきれない。相手ブロッカーに捕まることも多かった。

センターに相手ブロックが2枚ついてしまう要因としては、攻撃が単調になってライトからの攻撃をほとんど使っていなかったこともある。秋岡さんにもっとボールを回して相手ブロックを散らすことも必要であったと思う。 

福田さんや松井さんに関して言えば、きれいにアタックを打ち抜くことばかりを考えるのではなく、相手のブロックがしっかりと付いてきているので、そのブロックに引っかけて外へ弾きだすとか相手が嫌がるようなプレーも覚えてほしい。いわゆるネット際のボールの扱いが下手だと思う。バリエーションが少なすぎる。周りのプレーヤーもブロックが何枚ついているか知らせてやるべき。強打でなくても1点は1点。相手コートにボールを落とすことが攻撃の目的である。

 中村さんがAでおとりに入って、福田キャプテンに平行を出すというプレーが1度だけあって、残念ながらアウトになったが、こうしたコンビネーションを仕掛けたのも相手のプレーになんとか対応しようとしたからだと思う。 

サーブについては、白木さんのサーブが1本決まったくらいで、得意のサーブで崩すという展開にはならなかった。岡谷さんのサーブも多少サーブレを崩す程度で、決めきるところまではできなかった。先行されるケースが多かったので天王寺として積極的にサーブを打ち切れていなかったように思う。 

城南学園は、サーブについても、強打だけではなくコートの幅いっぱいを使って、ライトストレート側に打ったり、ネットすれすれを狙うなど工夫がみられた。また、天王寺のサーブレが乱れてネット際に上がった場合はしっかりとダイレクトで打ち込んできた。 

アタックレシーブ後の繋ぎも素晴らしく、崩されてもしっかりとその後、短いトスで攻撃まで持って行ってしまう。ラリーが続いて、十分な助走が取れない場合でもその場でジャンプして強打してきた。相手セッターは非常に上手く、ライト側からも長い平行トスをレフト側に上げてきた。パスがレフト側に流れても背面トスで平行をライトにあげてきた。基本的には短いセミまたは速い平行で組み立ててくる。一方、天王寺も相手の強打を良くレシーブしていたが、なかなか攻撃まで繋げることができなかった。

足の長いアタックに対して、顔の前で組手で上げなくてはいけないボールの処理がリベロの酒田さんを含めまだまだ悪い。

普段の練習でもアタックだけの単一な練習ではなく、実戦を想定したアタックレシーブからの攻撃の練習にももっと取り組んでいってほしい。きれいなトスしか打てないのであれば、乱れたトスには到底対処できない。アタッカーの打てるツボが狭すぎる。基本プレーができなければ応用プレーができないのではなく、不十分であれ応用プレーに挑んでいく中で、基本プレーを確実にできるようにするということが重要。 

マッチポイントでも乱れたレシーブボールに対して城南学園のセッターがフライングレシーブでレフトに上げたボールを見事にスパイクで決められて敗れた。 

今後も城南学園のような強豪ともどんどん練習試合をして、試合の中で刺激を受けてもがきながら相手のパワーとスピードに対応していきながら、挑戦者として自分達がどこまでやれるのかを試していってほしい。試合の中で上手くなっていってほしい。

 

保護者の皆様、山中先生、向井先生、お疲れ様でした。