女子の公立高校大会を見てきました

船井 慎互(高33期)

 

12/15 女子の公立高校大会観戦(予選リーグ)のため狭山高校に行ってきました。 

格上相手に善戦してくれました。来年の2部昇格に向けて期待も膨らみます。 

 

予選リーグ(12/15) 

天王寺 12 狭山(25-20/22-25/22-25) 

天王寺 20 八尾翠翔(25-20/25-15) 

 

中央トーナメント戦(12/16) 

1回戦 天王寺 20 長尾(20-25/20-25)

   部別では見事に3部に昇格を果たしたが、やはり今日の相手である狭山、八尾翠翔は共に格上の相手。彼女たちの力がどの程度通用するのか、また翌日のトーナメント戦に進めるのかが注目された。

狭山戦の2セット目からの観戦となった。 

狭山は秋の部別で2部に上がったチーム。レフトから2人のスパイカーがしっかりと攻撃してきた。特に表のエースが強打とフェイントを上手く交えてきた。また、センターからもA,Cクイックを使ってきた。時折バックアタックも打ってきた。 

1セット目を奪った後の2セット目、序盤は福田さん、白木さん、岡谷さん、中村さん、松井さんらがサーブでポイントをあげ、アタックでも中村さん、福田キャプテン、岡谷さんがセンター、レフト、ライトから決めてゲームメイクしていく。中村さんは、レフトから助走でストレートに打つと見せかけて、飛ぶ瞬間巧みに体を捻り、相手ブロックをかわしてクロス側に打ち込んだ。ラリーが続いても十分に助走を取っていたことで打ち切れていたと思う。強打に軽打も織り交ぜて相手を翻弄していた。

   狭山も天王寺のアタックをしっかりと拾いながら、レフトからのストレートやバックアタックなどで食いついてきた。11-10で松井さんがAクイックを決め、サーブも決めて13-10とすると、前衛に回った中村さんがダイレクトアタックを決めて14-10と離しにかかる。しかし、ここから狭山の速攻が決まり出した。レフトからのストレート、バックアタックも決められ19-19とされると、サーブレを崩されて最後はレフトからのストレートを決められて取られた。 

3セット目も、序盤は一進一退で進んだが、中盤からは狭山のサーブとAクイック、レフトからのフェイントに揺さぶられて天王寺の攻撃をさせてもらえない。16-21から岡谷さんの3連続サービスポイント等もあり2点差にまで迫ったが、ここでもバックアタック、最後はレフトからストレートを決められて敗れた。 

狭山は圧倒的な強打があるわけではなかったが、センターからのA、Cクイック、セミなどの小技が有効であったと思う。 

特にエースは、身長はそれほど高くはないが、クレバーな選手で、天王寺の高いブロックをかわす様に、あるいはいなす様に、軟硬うまく織り交ぜて攻撃してきた。 

ストレート側の守備が深いとみるとフェイントを仕掛けてきたり、前に出ていると思ったら後方に打ち込んできたりとまさに変幻自在にボールをコントロールしてきた。分かっていても拾えないというもどかしさすら感じさせた。 

天王寺としては、相手の攻撃の癖を見抜いて、ブロックの背後にしっかりとフェイント用のレシーバーを付けて、ライト側に重点を置いた守備陣形にシフトしても良かったと思う。フェイントが拾われてしまうと、相手も打つ手が制限されるはず。プレーをしている選手はなかなか気が付かないと思うので、状況に応じてベンチからも指示を出してほしかった。 

また、狭山のようにしっかりと守りで繋いでくる相手に対しては、アタッカーももっと工夫が必要となる。速攻でかき回すとか、コート奥への足の長いアタックと前へのフェイント、ネット際、左右への揺さぶりもほしい。トスが離れて松井さんがセンターからかぶり気味にボールに合わせる様に軽打することが多かったが、手のひらで強く押し込むような打ち方(フェイント)もマスターしてほしい。また、相手ブロッカーをうまく利用して弾き出すような打ち方も練習してほしい。 

好アタッカーというのは必ずしもきれいに強打を決めるプレーヤーではなく、状況に応じて、打たれる瞬間まで何をするかわからないと思わせる頭脳プレーヤーのことだと思う。 

岡谷さんについても少し注文を付けたい。オープンスパイクの時にもう少し助走を十分にとってしっかりとジャンプにつなげてほしい。ほとんど2歩助走でその場飛びのような打ち方が多く、もっと高い位置で裁ければ決定力もアップするはず。また、相手レシーブボールが乱れてネット際に上がっても、一旦レシーブで拾ってから攻撃をしようとする場面が2度ほどあったが、できればネット上で処理してほしい。相手が少しでも触ってボールのコースがかわればフェイントになって決められてしまう。ネット上でのせめぎ合いで勝敗が分かれるケースは多い。

   2試合目に先立って狭山と八尾翠翔の試合を観戦した。八尾翠翔は秋の部別では33位のチーム。急造セッターとのことだが、試合前の公式練習で見た感じでは、エースは身長も高くレフトから強打を打ち込んでいた。Aクイックでも高い打点から強打をバシバシと決めていた。攻撃力としては一番手強い相手ではという印象を持った。3チームの内2チームが翌日のトーナメント戦に進めるのだが、1セット目を八尾翠翔が取った時点で天王寺が勝ち上がることはむずかしいと思われた。 

しかし、2セット目に入ると、狭山が本来の繋ぐバレーを見せはじめる。八尾翠翔は試合前の公式練習であれだけ決まっていたクイックが出せない。やはり、レシーブが乱されるとトスも乱されてしまい、中々、攻撃に繋ぐことができない様だった。2セット目の途中、狭山のエースが怪我で退場するアクシデントもあったが、それでもサーブ力を含む総合力で逆転して狭山が勝った。さすが2部に上がったチームだなと実力を見せつけられた感じがした。

レシーブを崩せば天王寺にもチャンスがある!試合前、中村さん、福田キャプテンに伝えて送り出した。いずれにしても天王寺が翌日のトーナメント戦に進むためには、八尾翠翔を倒す以外にない。相手のレフトからの攻撃で松井さんのブロックが大きく弾き出されて決められるシーンや、高いブロックにライトの秋岡さんのアタックが抑え込まれるシーンもあった。しかし、サーブでは秋岡さん、白木さん、中村さんがポイントを取ってくれた。また、相手の攻撃力を封じてくれた。

   天王寺はセンターエース、一方、八尾翠翔はオープンエース。八尾翠翔は天王寺のセンターブロックが高いとみると、クロス側にフェイントを仕掛けてきた。 

ここで、キャプテンの福田さんの好レシーブがチームに勢いをつける。彼女はオープンスパイカーとしてチームを牽引しているが、名レシーバーでもある。相手レフトエースの放ったクロス前へのフェイントにも懸命に食らいついていく。1本目は左手には当てたが上げることはできなかったが、2本目、ブロックの真後ろにポトリと落とされたボールをライトの秋岡さんと懸命に追いかける。上げるだけでも困難なボールだったが、福田さんがうまくボールの下に潜り込むようにスライディングで飛び込んでいくと右手でうまくボールを掻き揚げて、セッターが取りやすいパスへと繋いでみせた。 

セッターの白木さんが、待ち構える松井さんにセミを上げると相手のコートの真ん中に軽打をポトリと落として決めた。いつも静かな福田キャプテンがガッツポーズを見せたのが印象的だった。 

攻撃ではやはり、エースの中村さんがすごかった。レフト側にしかもネットから離れたパスを白木さんが懸命に追いかけてバック(背面)トスでセンターの中村さんに上げる。中村さんは振りぬく先にブロッカーがいると見るや、体を捻りながらなんとクロス側に叩き込んで決めた。ほとんど背面からくる難しいボールであったが、見事なバランス感覚で決めきった。 

また、強打とは行かなかったがAクイックも決めてくれた。ネットから離れたパスをジャンプトスでうまく合わせたセッターの白木さんの好プレーでもあった。 

2セット目、15-12で天王寺リードの場面。まずは中村さんが相手のエースをブロックでシャット。決まらなかったが、チャンスボールをもらうと、岡谷さんがレフトからクロス側に強打したボールはネットのワイヤーに当たりながら大きく跳ねあがってラッキーにもネット際に相手コートに落ちて決まった。このあたりから天王寺は引き離しにかかった。22-13で白木さんが得意の無回転サーブを決めれば、中村さんがライトからスパイクを決めて23-14、後衛に回ってすぐさまサーブも決めて24-14とすると、最後は松井さんがレフトからストレートに叩き込んで勝利した。 

トーナメント2日目は、初戦で長尾(秋の部別で2部に降格)に敗れたが、善戦してくれたようです。 

できれば、狭山にも勝ってほしかったが、そのためにも今後もっとネット際のプレーを磨いてほしい。速攻の完成も待たれるところです。

保護者の皆様、山中先生、向井先生、加藤コーチお疲れ様でした。