女子近畿予選観戦報告

船井 慎互(高33期)

 63 女子の近畿予選観戦のため河南高校に行ってきました。 

2回戦で敗れましたが、2部相手に臆することなく終始攻めのバレーを見せてくれました。 

(近畿大会予選) 

1回戦 

天王寺 2 vs 0 大教大平野 (25-7/25-6) 

2回戦 

天王寺 1 vs 2佐野 (22-25/25-17/22-25) 

 初戦の大教大平野戦では、力の差があったこともあり順当に勝ったが、つまらないミスをすることなくサーブ、アタック、レシーブと1つ1つの自分達のプレーを丁寧に行ってくれて勝ち方も良かったと思う。特に、サーブについては、絶えず先行して試合を進めて精神的にも優位に立つ中でしっかりと攻めのサーブが打てていたと思う。 

 2戦目の佐野戦、佐野は2部のチームで、レフト、センター、ライトからの攻撃パターン。強打はなかったが、ストレートの深いところに軽打で決められることが多かった。速攻は合っていない感じだった。 

  1戦目に引き続き天王寺はサーブが良く、しっかりと相手のサーブレシーブを崩して自分達のペースで戦えていた。 

エースの中村さんは部別の時と同様、非常に調子が良かったと思う。試合開始早々、長身の相手センターブロックに止められ、どうなることかと心配したが、結局まともに止められたのはこの1本だけで、あとはしっかりとブロックをかわす様に両コースに打ち分けて強打を決めてくれた。レフト方向に流れながら体を捻ってクロスに打つなど華麗なテクニックも見せ、また、相手ブロックが2枚付いて来れば、ネット際にフェイントでいなしたり緩急も交え本当に素晴らしい出来であった。 

それを支えていたのは、やはり坪山さんの丁寧で巧みなトス回しだ。エースにボールを集中することなく、意図的にレフト、センター、ライトと満遍なくボールを散らして、相手ブロッカーに的を絞らせないことが相手の守備をかきまわす上で非常に良かったと思う。中村さん以外にもキャプテンの溝口さん、福田さんがレフトあるいはライトからも攻撃を仕掛ける。一発で決める力はないにしても、ラリーの中でいろいろな方向から繰り返し攻撃を仕掛けていく中で、相手の守備体系が間に合わず、ミスを引き出せていたと思う。また、時折、セッター自身もトスフェイントを何本か決めてくれた。相手の意表をついてツーで返すこともあり絶えず攻撃的な姿勢を貫いていた。注文をつければ、両手によるトスではなく、ジャンプトスの体勢から片手で高い打点からも仕掛けてほしかった。 

また、ラリー中に坪山さんが1本目のアタックレシーブを上げる場合も、2本目を対角の白木さんが丁寧にトスを上げていたことも攻撃力の安定に繋がっていたと思う。 

1セット目は、取られはしたが終盤で挽回をするなど、徐々に流れが天王寺に来ているように感じた。2部相手にも互角に戦えるという気持ちが盛り上がっていったと思う。

 2セット目は、スタートダッシュに成功してそのまま逃げ切って取った。 

普段、天王寺がスタートダッシュできない要因として、序盤に相手のサーブに崩されてずるずると失点を重ねていくということがあるが、今日は、サーブを含めて天王寺の攻撃のリズムがよくむしろ相手が雰囲気に押されてなかなか強い気持ちでサーブが打ちきれていなかったのではないか。 

 また、中村さんが後衛に回った時にどうしても攻撃力が低下してしまうということもある。センター対角の鶴本さんはボールを捕らえるタイミングや打点の高さは素晴らしいが小柄なため相手コートに角度のあるアタックを打つのがむずかしく、パワー不足もありなかなか決まらない。それでも今日は相手がノーブロックで対応してきたこともあり、1本目できれいに決まらなくても相手のレシーブを崩しながらラリーの中で何度も打ち続けていくうちに決まる様になっていったと思う。ツーアタックを仕掛けたり、ブロックを弾き返すアタックも決めてくれた。ライトの位置で後方から上がってくる難しい2段トスをうまく決めて見せた。 

溝口さんもストレート側を中心に打ち、打てないボールに対してはしっかりと相手コートに押し込むように強いフェイントをかけるなど、チャンスボールを与えない工夫をしていたと思う。 

福田さんは、だいぶアタックフォームが良くなってきたと思う。時折ブロック越しに落とすフェイントも有効であった。 

3セット目も、2セット目の流れでスタートダッシュに成功し、チェンジコートをした時点で5点差をつけていた。このままこのセットを取って3回戦に進めるという期待感が高まっていった。ラリーが続いた時でも競り負けることが少なく、決定率も高かったことが諦めない姿勢にも繋がっていた。相手のブロック越しのフェイントが多くなった状況では、しっかりと予想して前寄りに守って拾っていた。怪我から復帰したリベロの竹本さんも前に出る激しいレシーブを幾度となく見せてチームを鼓舞してくれた。 

サーブでは、中村さんがネットすれすれにアタックサーブやジャンプフローターサーブを決めた。アタックの調子そのままにサーブでもしっかりと相手のレシーブを崩していた。

鶴本さんのフローターサーブも良かったが、ミスもあり今日はなかなか連続して決まることがなかった。一方で福田さんの押し込むようなフローターサーブがスピード、コース供よく安定感抜群であった。

終盤まで天王寺のペースで進んだが、佐野のサーブが決まり出し、天王寺のサーブレシーブが乱され、速攻も決まり始め 徐々に点差が詰まっていき、結局惜しくも敗れた。

終盤、天王寺のサーブミスが目立ち始めたことが流れを持っていかれた1つの要因だったと思う。リードしている展開で強気にサーブが打てる状況だったので、サーブでリズムをつくりたいという気持ちが強かったと思うが、逆にサーブをミスってしまって焦りにつながってしまった様にも思う。特に終盤で点差がある状況では相手にも相当プレッシャーがあったはず。むしろ、サーブでのミスを避けてゲームを維持して作っていく中で、相手のミスを誘うという戦術も必要だったと感じる。勝ち急いでしまった感がある。

70期含めOGも応援に駆けつけてくれた。たくさんの1年生も入り、懸命に先輩たちのプレーに声援を送っていた。

引退試合として次の代に良いバトンを渡せたと思います。

 

3年生の皆様お疲れ様でした。

 

山中先生、向井先生、湊コーチ 応援に駆けつけて下さった保護者の皆様 お疲れ様でした。