男子の新人大会を見てきました

船井 慎互(高33期) 

 

1/21 男子の新人大会2次予選観戦のため常翔学園(旧大阪工業大学)に行ってきました。まだまだ荒さがあり初戦で敗れはしましたが、今日も攻撃の面でいろいろと試していました。試合結果は以下の通りです。 

天王寺 1vs2 金剛 (15-25/25-23/24-26

 エースの荒川君が、体調不良でまともに練習できずに試合に臨んだと聞いて心配していたが、そういったことを感じさせずいつも通りのプレーを見せてくれた。特に今日は、キャプテンの三宅君がセンターの要としてしっかりとチームを牽引してくれた。 

金剛は3部のチームでオープンとAという攻撃パターンでライトからの攻撃はなかった。控え選手なしのレギュラー6名のみで試合に臨んできた。シンプルな攻撃パターンだが、センターは長身で高いブロックと巧みに押し込む様なAクイックに苦しめられた。オープンからの攻撃についても、天王寺の高いブロックに対して足の長いアタックでワンタッチを狙ってきてバックセンターの頭上を越されて決められることも多かった。サーブについても1本目はネットすれすれに強く打って決めると、2本目は緩く前を狙ってくるなど変化を付けてきた。 

天王寺の攻撃は、レフト、センター、ライトとしっかりと幅を使うことを意識していて良かったと思う。荒川君がセンターからAクイックの時間差に入ったり、バックアタックも打ってきた。相手からの返球がネット際に来た場合も、積極的にダイレクトで処理しようとしていたのも良かったと思う。 

攻撃の種類についてはむしろ天王寺の方が豊富であったと思うが、トスの乱れがあったり、アタッカーが打ち損じたりとまだまだ安定性には欠ける。攻撃に対する考え方はこれで良いと思うので、これからもラリーを想定した実戦的な練習によって安定感をつけてほしい。

セッターの田川君は、いろいろな攻撃のバリエーションに対して、トスが乱れることも多かったが、これからも失敗を恐れずに挑戦してほしい。とにかく献身的に取り組む姿勢が良いと思う。サーブレが乱れてネットを超えて相手コートに飛んだボールを懸命に追いかけるシーンが印象的だった。彼は長身なので、ブロッカーとしてもしっかりと相手からのストレートスパイクを抑えることができることも有利な点である。

手を負傷しているということで1セット目はベンチスタートとなった久米君だが、1セット目を取られた2セット目からは出場して、キレの良いAクイックを何度も決めてくれた。セッターとのタイミングも良く抜群の安定感を感じた。やはり、センターからのクイックが加わることで攻撃に厚みとリズムが生まれる。今日は平行をあまり使っていなかったが、高いオープントスは相手にブロックに入る十分な時間を与えることになるので、なるべく平行で相手のセンターブロックをかわしてほしい。

センター攻撃でリズムを取り戻した天王寺は、最後も三宅君がAを決めて2セット目を奪い返した。3セット目も先行してコートチェンジをして勝てるのではと思ったが20点で追いつかれ、24-24まで競った末、結局敗れた。

 実力の差はほとんどなかったと思うが、金剛の方が、落ち着いてプレーをしていて、随所に上手さも感じた。3セット目後半の競り合いの中でも、セッターが明らかにトスを上げられるボールを敢えて落ち着いてフェイントをしてきて決められた。天王寺としては、強打で決められたというより上手い攻撃にいなされて敗れたという感があったのではないか。 

会場の常翔学園の体育館は天井が非常に高く、オープントスに対して荒川君がすこしタイミングを取りにくかったとのことだった。逆に、金剛はその点もわかってやってきたのかアンダーで高いボールで返球してきて、天王寺のパスが乱されるシーンがあった。 

天王寺は、セッター以外の者が上げるトスの精度がまだまだ悪いと思う。田中君はセッター経験があるとのことで、今日も正確な2段トスをあげてくれたが、特にリベロがアンダーで上げるトスが悪いのが気になった。リベロに限らずセッター以外がトスを上げるシーンも多いので十分な練習が必要である。チャンスボールを確実に決める、当たり前のことが当たり前にできるということがチームに勝ちパターンを作る上でも重要で、そのためには当たり前でない状況から立て直すという練習が必要になってくる。 

金剛はトスが乱れて、十分な体勢で打てない場合でも、手首だけで強く押し込む様なフェイントをしてきた。東條君がネットに近いトスを無理に打とうとせずに相手ブロックに当ててアウトにするという落ち着いたプレーも見せてくれたが、乱れたトスへの対処方法ももっと練習してほしい。 

また、サーブについても、基本的に皆、安全なフローターサーブを選択して、ネットすれすれの強いサーブが見られなかったのが残念。サーブポイントも何本かあったが、同じ様なサーバーばかりでは相手に慣れられてしまう。速攻のチームに対してはやはりセッターにきれいなパスを入れさせないことが重要。 

今日は、1年生セッターの奥村君の出場機会がなかったが、雰囲気を変えるためにも思い切ってセッターを変えてみるというのも1つの戦術だと思う。彼は十分に準備しているだろうし、その実力もあると思う。部別では是非彼の活躍も見てみたい。 

応援に来られた保護者の皆様、尾崎先生、向井先生 お疲れ様でした。